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ダディ・ロング・レッグズ

少し前ですが、久々にミュージカルを観てきました。
それがタイトルのダディ・ロング・レッグズ。日本語訳で言うとあしながおじさん。
ミュージカル界きってのプリンス井上芳雄と、ミュージカル女優というより私としては声優もしくはアニソン歌手として親しみがある坂本真綾ちゃんの二人ミュージカル。二人。いかにも大変そう。
前回の公演が終了した後に(…)存在を知り、ううー、観たい!と思っていたのですが友人のゆうまくんが「再演あるよ」と教えてくれたので、無事行けました!よかったー!
そんなわけで感想まとめ。
原作含めネタバレありまくりなので、未読の方ごめんなさい。


・歌
素晴らしいの一言。素晴らしくなけりゃ二人ミュージカルなんて出来ないでしょうけれども。
残念だったのは、今回から曲および細部が一部変更になり、サントラで気に入った「ロックウィロー」という曲が削られていたことですよ…全体的に真綾ちゃんの高音が減ったらしいです。ウウウ!


・衣装
真綾ちゃんの衣装がどれもオールドアメリカンな感じで可愛かったです。井上芳雄のスーツも素敵でした。キャ。


・原作と比べて(内容)
原作は冒頭以外全てジルーシャの手紙のみで話が進んでいくので、あしながおじさんことジャーヴィスさんの心情が一切出てこないのですが、ミュージカルではジャーヴィスさんがどう考えていたのかということがわかって、そこがとても面白かったです。そういう解釈もあるのねー。
そして歌とかセリフとか、原作を読んでいると「うお、こんなところを拾うか!」というようなマニアックな一面もあって楽しかったです。小さい頃何度も読んだ本は大人になっても覚えているものですね。
ラスト、あしながおじさんの正体がわかるところは原作だと「あしながおじさん=なんでかわからんが体調不良」(「ジャーヴィスさん=カナダで狩りをしているとき一晩嵐に見舞われて肺炎」の時期に一致)で、いまわの際に会いに行くというような描写だったので、いつ井上芳雄のパジャマ&ナイトキャップ姿が見られるのかとドキドキしていましたが、そこはあっさりなかったことにされていて、普通の格好で会っていました。個人的に残念。


・原作と比べて(ジルーシャもしくはジュディ)
名前。まず名前。全編「ジルーシャ」で押し通したのはなんでだ。彼女は自分の「ジルーシャ」という名前が嫌いで「ジュディ」という愛称を自分につけていたはずなのにさ。
観客が混乱するからなのか、歌詞にしたとき「ジュディ」より「ジルーシャ」の方がよかったのかわかりませんが、そこは…原作者が怒るところだろう…と勝手に思いました。やっぱり歌にしたときの印象かなあ。ちぇー。
あと、原作のジルーシャってジャーヴィスさんの正体を知っても「わたしはなんてばかだったのでしょう。少しでも知恵が働けば、百ものささいなことからわかっていたかもしれないのに」と言うような結構おっとりした子だと私は思っていたのですが、舞台のジルーシャは「なんで隠してたの。男性として魅力的ではないわ!」みたいな感じで超怒っていて、全体的に現代っ子寄りにした印象でした。というか真綾ちゃん寄りにしたという感じでしょうか…。
彼女は優しい歌声でありながらライヴのMCとか結構Sなんだよな………カタカタ。でも可愛いからいいか(甘い)。
あとミュージカルだと首席で卒業したことになっていて、「一年のときに赤点取っておいて首席卒業はないよなあ。大学のシステムは今と違うのか?」と首を捻っていたのですが、原作読み返したら「優等で卒業するのは無理でしょう。あの一年生のときの忌々しいラテン語作文と幾何学のせいです」という記述があって、「だよねー!」と溜飲を下げました。


・原作と比べて(ジャーヴィス)
原作はジャーヴィスさんの心情が全く出てこないので、ミュージカル作者の創作ですね。解釈としてとてもヘタレでした。あー会おうかなーどうしようかなーでもなー、はっ、ちょうど同級生に俺の姪っ子がいるというから、「あしながおじさん」じゃなくて「ジャーヴィス叔父さん」として会っちゃえ!から始まってあとにひけなくなっていってました。
しかしヘタレでも井上芳雄なので許すしかない(甘い)。んもうしょうがないなおじさま!
原作でのジャーヴィスさんは正体をばらしたときも笑って手を差し伸べて、「かわいいジュディ、ぼくがあしながおじさんだって思わなかったのかい」とか言ってるので、本当は結構図太い人なんじゃないの?というのが私の印象です。ジュディとは14歳差ですって!うひー!
彼に関しては友人のありちゃんとけちょんけちょんに話していました。


私「ジュディの前に少なくとも2人大学出してるんだよねあのひと。3人分の学費出すってすごいな」
ありちゃん「その男の子たちに『…というわけで、君たちの後輩と結婚したんだよ』と言って感想を聞きたい(笑)」
私「今思ったけど、前の男の子たちの大学在学期間が被っていなければ、最初の子は自分とあんまり変わらない歳の人に大学出してもらったってことにならない?(ジュディが18のとき14歳差で32、大学4年として2人分だから、最初の子は8年前に入学したと計算すると当時ジャーヴィスさんは24歳)
か、かんじわるくね?ジャービーぼっちゃま!」

ありちゃん「ノブレスオブリージュ、の一言では片付かないモヤモヤが生じるね。
ジュディの場合でさえ『おじさんではないんじゃね?』とかおもったのに」

私「24歳の若造に『君は優秀だから大学出してあげよう』と言われてもね!モヤモヤするね!意味もなく殴りたくなるね!」
ありちゃん「その状況で素直に感謝して援助を受ける子って、あんまり大成しなさそう(偏見)。
いや、ハングリー精神ってわりと活きてくるじゃん、ここぞって時に。あ、心の中で『ケッ』と思っていてもお金だけは受け取るって子は出世しそうだけど」

私「わかるけど性格悪いなソイツ。まあ、もしかしたら男の子たちにも正体は隠してたのかもしれないけどね。
…しかしそんなこと思いつく?フツー自分よりはるかに年下の子を助けようって思わない?なんとなく」

ありちゃん「難病の小さい子を支援する、とかねえ。
時代背景的に『優秀なのに経済的な理由で大学行けない』って人が、今よりもいっぱいいそうではあるけれども」

私「あとさあとさ、『ジャーヴィスさんは赤ん坊の頃のジュリア(姪っ子)を一目見て気に入らないと思ったらしくそのまま忘れてた』って描写があったけど、親戚の赤ちゃんを見て『ワーかわいい!』ってなる14歳男子がいたらそれはむしろヤバい奴だよね(笑)」
ありちゃん「とりあえず、私が親ならば、その14歳男子はブラックリストに入れて、可能な限り接触を避ける(笑)」

こんな感じ。ありちゃんありがとう。
この二人の関係性については、続編の「Dear Enemy」を読むとますます言いたいことがいろいろ出てくるんですけどね。まあそれは置いておきます。


・原作の思い出
私がこれを初めて読んだのは確か小学校高学年の頃だったと思うのですが、ほんとに全く何も考えないで読んでいたなーと今にして思います。
あしながおじさんの正体を知っても「へー」としか思わず、あしながおじさんがサリーの家に行くのを理由も言わずに「絶対ダメ」と言って止めた時も、「そうだよなあ、親ってなんだかわからんけど『とにかくダメ』って言うもんな」と妙に納得していて、訳者あとがきで「ジャーヴィスさんは(ジュディが「サリーのお兄さんが大学のお友達を連れてくる」と手紙に書いたので)、他の男の人たちにジュディを会わせたくなかったんでしょうね」と書かれていたのを見て「ああ、そういうことだったんだ。へー」と思っていました。浅薄極まれり。
なので、ミュージカルを見て「おお、ここでジャーヴィスさんが出てきたのはそういう意味だったのか!」とか随所に新しい発見がありました。それはとても楽しかったです。
今改めて読むと、ジュディはほんとに孤児だったんだなあと思います。
先ほどのサリーの家に招待されたくだりだって、普通の家に育った女の子なら「男の子と素敵なことがありそう」的なことは、少なくとも親に許可を得る段階では自然と隠すと思うんですよね。これはもう誰に教えられることではなく、女の子だったら身につけている勘のようなものだと思うのですけれど、ジュディはとにかく「素敵なことがありそう」というのは男の子がくるということであろうが射撃をやるということであろうが、「親」代わりのあしながおじさん相手でも全部書いてしまう。
それは彼女があしながおじさんの人となりを知らないこともあるでしょうけれども、そういう「親に対する駆け引き」が身についていない子であるという絶妙な表現なのだと思いました。


というわけでわたし的に盛りだくさんのアカデミックな観劇でした。
そうよこれが非日常よ!(手遅れ)
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かんざき * Show must go on! * 23:22 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

コメント

こちらこそ、ありがとう(><)。
充実した観劇でしたわ♪

芳雄はとってもとってもヘタレだったけど、真綾ちゃんがすっごくすっごく可愛かったから致し方ない(断言)。
お借りしたサントラを一緒に聴いていた旦那が「ものすごくいい声で、ものすごくヘタレた内容を歌ってる!」と衝撃を受けていたけど、仕方ないったら仕方ない(ホントか?)。
冷静に考えたら「ん?」ってなるようなことを勢いでぐわーっとしちゃうのも、楽曲の力だよね。
…いや、オペラやミュージカルの名曲って、そんなん多いじゃん(苦笑)。
Comment by あり @ 2017/11/30 11:25 AM
>ありちゃん
ありちゃんは本当に好みの女の子に甘い(しみじみ)。
…いや、人のこと言えないけど。まったくいえないけど。

オペラやミュージカルで「ん?」と冷静になってはいけないよね!
「歌ってる場合か」とか思っちゃダメなのよね!
非日常よ!(しつこい)
Comment by かんざき @ 2017/11/30 10:58 PM
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