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死神の爪痕

しばらく前に、愛猫が闘病生活をしていますよという話を書きました(ここ)。
それで今どうなっているかという話。


舌の腫瘍は壊死に向かいました。しかし炎症自体はおさまったので血の混じった涎は出なくなりました。
それは良かったのですが壊死したおかげで舌が変形し、うまく舌が動かせなくなって固形のごはんを自分で食べることはできなくなりました。舌は回復する器官ではないので、おそらく彼女が自力で食事を摂れることは生涯ないのだと思われます。
でも、それならそれでこちらにも覚悟が出来るので流動食をシリンジで与えることで解決しています。
嫌がらず頑張って飲んでくれて、飲む量も増えました。
おかげで元気といえば元気になり、トイレも問題ないし高いところへ自分でジャンプして登っているし、ゴロゴロ甘えにすり寄ってくるしなんだかごはん問題以外はほとんど元通りになったのでは?という感じです。
獣医さんからも「この年の猫ちゃんが、ここまで回復するなんて…!」と驚嘆されました(先生は絶対に言わなかったけど、内心では「これはヤバい」と思っていたのではないかと思う)。
それは嬉しい。


…しかし。
舌のせいなのか高齢のせいなのか、普通の涎はかなり出るもので、布製の家具とかやられてしまうわけです。
以前と同じように私のベッドに登って休まれたりするとシーツ総とっかえなわけです。
うーーーーん。
これが地味に痛い。
そして、涎の匂いってどうなんだろう。血が混じっていた時は腐敗臭?なのか?もっとひどい匂いだったのですが、今は血が混じらなくなって匂いが弱まったのか家族の鼻がバカになったのかわかりませんが気にならないような気もする…けど、どうもアテにならない。迂闊にお客様を呼べない。
お客様を呼べないというのはこれまた私にとっては意外なストレスでありまして、誰か呼びたいなーでもなー…と逡巡しておりました。


死神の手を払いのけ、蹴っ飛ばし、遠ざけたけれどもその爪痕は確実に残っているわけです。
これでよかったのか。自分でごはんを食べられなくなるというのは生き物にとって本来寿命の終わりなのだろうか。流動食を与えているのはエゴなのか。そして自分で助けておいて、涎が…とか気にするのはどうなのか。
でも何度考えてもどう考えても「命を諦める」という選択肢は出てこないのです。
流動食を飲んでいる時の懸命な口の動き、私を見てゆっくりとまばたきする様(注:猫の「大好き」のサイン)。
これで私が諦めたらこの子の命が終わるわけで、出来ることがあるうちは諦められないなと思う。わけです。


ではどうやったら共存できるかということに話がシフトし、ベッドには申し訳ないけど登らせないようにして別の居所を確保するとか、布製の家具はビニールシートで守るようにするとかそういう工夫をしています。
掃除もまめにするようにするとか。
あとは先日事情を話してわかってもらった上で近所の友人に来てもらいました。猫に慣れていた友人だったからか、「気にならないよ。大丈夫」と言ってくれて、猫がそばにいても長居してくれて嬉しかったです。多分その友人が思っている以上に私たち家族は嬉しかったのです。
誰だって可愛がっている娘に、なにか理由があったとしても「ちょっと娘さん…くさい…」と言われても、言われなくてもそう思われているとわかったらやっぱり落ち込むと思うので。
特に小さいお子さんは悪気がなくても正直に言ってしまうので、仕方ないとわかっていてもやっぱり…ね。
友人は2歳のお子さんを連れて遊びに来てくれましたが、そのお子さんもニコニコしながらうちの猫に接してくれて、とても嬉しかったです。


そしてともかくこれでなんとか、家族がみんな快適だと思えるように生活していけたら…と思っています。
…いますが、流動食を懸命に飲んでくれていても体重は減る一方で、ピーク時には4キロ以上あった体重はもう2キロをきろうとしています。
舌には新しい腫瘍が見つかり、錠剤をうまく喉の奥に放り込めず舌の上に乗っかったら、それだけで血が溢れてのたうちまわるようになってしまいました。
あらためて血液検査をしてもらったところ、肝臓は良くなってきているけれども甲状腺異常の数値はまた上がってしまっていて、舌の腫瘍のせいで白血球の数値も思わしくないとのことでした。
おまけにここ1、2日の間に咳が出始めて、これもしかして風邪ひきかけてる?


振り払っても蹴飛ばしても、どこまでもつきまとう影。
とりあえず錠剤は砕いて流動食に混ぜてあげることにしました。
居場所は毛布を敷いて、もっと暖かくするようにしました。


死神に負けるつもりはこれっぽっちもないのですが、なんでしょうね。
ここに書いてなにがどうなるというわけではないのですが、私、誰かに頑張れって言って欲しいのかもしれません。
猫はもう十分頑張っているので。
この世界の片隅に頑張って生きてくれている猫と、なんとか懸命に死神と戦っている家族がいるので、読んでくださったどなたかに、心の中ででも「がんばれー」と励ましていただけたら嬉しいです。

…がんばります。
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かんざき * 日常アレコレ * 23:46 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

コメント

かんざきちゃんも猫ちゃんもがんばれる。
大丈夫。

うん、「がんばれー」というより、そういう気分。
Comment by あり @ 2017/10/27 2:43 PM
ありがとう。
「がんばれる」って良いね。勇気出ました。すごく嬉しいです。
ありがとう!!
ほんとに頑張ってくれている偉い猫です。わたしもがんばる。
Comment by かんざき @ 2017/10/27 11:38 PM
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