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「おひさま」日記(46)

いままでのはこちら

昨日のつづき。

陽子父「そんな顔しなくていい。当たり前の気持ちだ。私も同じだ。自分もそういう年齢なんだな。いつか、おまえたちと別れる時がくるんだな。そう思った」
陽子「お父さん…」
陽子父「まあ今回は、お母さんと春樹に追い返されたけどな。まだ早すぎるって」
…春樹に、ちゃんと言ってやれなかったことがあってな。
良い機会だから、お前たちに言っておこうと思う。まあ、遺言みたいなものだな」
茂樹「そんな…」
陽子「そうですよ。そんなの、やだ…」
陽子父「まあ、聞きなさい」

陽子父はにっこりと微笑みました。

陽子父「茂樹。陽子。
私はお前たちが、お前たちのことが、自分の子供としてだけではなく、人として好きだ。大好きだ。尊敬している。
…それだけだ」

春樹兄さんが戦死したという知らせが届いたとき、陽子父は「私は、息子としてだからではなく、一人の男として、須藤春樹という男が好きだった」と言いました(ここのレポだとこちら)。
いつか言えると思っていた言葉は、ある日突然その機会を失して取り返しがつかなくなることがあります。
言える時に言っておかないとね。
茂樹と陽子は、お父さんから子供ではなく一人の人間として、大人として認められたんですね。

陽子父「すまんな、財産のこととかでなく」
陽子&茂樹「ありがとうございます」
陽子父「照れるな、やっぱりな」

照れくさそうに笑う陽子父が素敵でした。


・杏子、稼ぐ
百白花。
丸庵時代近所に住んでいた節子さん(陽子義母が姉のように慕っていた人)が、何故かそーっと姿を現して、そーっと日向子以外に姿を見られることなく去って行きました。
その後、百白花に電話。
なんと杏子ちゃんが松本で警察に保護されたとのこと。
理由は路上で似顔絵描きをやって稼いでいて、警察に職質されたところ逃げようとしたからだとか。
たまたま通りかかった節子さんが身柄引受人(ガラウケ)になってくれて、彼女は百白花に帰ってきました。
陽子と二人で話しました。
彼女は彼女なりに実の娘でもないのにここに置いてもらえて、絵の勉強までさせてもらえて(余談ですが、我らが小悪魔和成さんは絵が下手らしいです。ハーモニカも最初は下手だったし、芸術にはどうやら疎い様子。あ、でも陶芸は上手なんですよねえ。やりゃあ出来るんじゃないの、小悪魔?そして寝間着の浴衣姿がカッコいい!たまらん!)、厄介になっていることが心苦しくて、何か自分に出来ることはないかと悩んでいたらしいです。
陽子は、私があなただったら同じことをしたかもしれない、と言って続けました。

陽子「あなたは私の娘ではないし、私はあなたのお母さんではない。いいじゃない、無理に親子とか思わなくても。いいと思う。それでも、わたしたちとあなたは一緒にいる。一緒に暮らす。それは、何故か」

杏子の目をじっと見て、笑って、陽子は言いました。

陽子「あなたが好きだから。あなたと居ると、楽しいから。だから一緒に暮らす。…あなたにとってもそうであるならね。…どうかな?」
杏子「はい」
陽子「そんじゃあ、そうしよう」

好きだから一緒に居よう、というのは単純なようでいてすごく難しいです。
だから、あなたのことが好きだよ、という言葉はこれ以上ないくらい力になります。
陽子祖母、陽子父母、春樹兄さん、…茂樹兄さんはちょっと照れが入るかな、でも許す。そして陽子、は自分の精一杯の「好き」を言葉でも態度でもちゃんと相手に伝えられる人たちで、私はそこが大好きです。
で、杏子が稼いだお金のうち半分は家に入れ、半分は自分の為に遣わせることにしました。
さらに、百白花にて似顔絵描きの仕事をさせてあげることにしたのでした。
昭和25年の1枚60円って、今で言うといくらくらいなんだろうと思って調べてみたんですがはっきりとは分からず。だいたい、本当にだいたいでいうと1000円するかしないかなのか?という印象でした。ま、そんなもんか。


そして何で節子さんが突然やってきたわけ?ということで次回に続く。
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