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「おひさま」日記(42)

いままでのはこちら

気づけばこの「おひさま」日記を書けるのもあとわずかなんですねえ。
しみじみしますね。
最後まで頑張りますので、どうかおつきあい下さいまし。
今までの感覚だとこの「おひさま」日記は1週間に2回書けば通常ペースなんですが、最終週くらいは1日1回書くくらいの読者様サービスした方がいいのかしらん(誰もそんなの望んでなかったらどうしよう)。
さておき。

・陽子、多治見にゆく。
日向子を連れて行こうかなーと考えもしましたが、いやいやと思い直し、一人で行くことにしました。
吃驚して「どうした?」と聞く和成さん。

陽子「どうした?…失礼します」

仕事部屋に入る陽子。

陽子「これ(着替え)持ってきました。随分長くなりましたので、不自由されているかと思って」

慇懃無礼の見本のようです。

和成「…ありがとう。陽子?」
陽子「(戦友の奥さんが)おきれいな、方ですね」
和成「え?おい、陽子。そんなじゃ」
陽子「そんなってなんですか?」
和成「え?なんか、誤解してるよ」
陽子「何をどう誤解してるんですか?」
和成「そんなんじゃねえって。全然違うって」
陽子「私これ持ってきただけですから。失礼します」
和成「ええ?何馬鹿なこと言ってるんだよ」
陽子「いいですよ馬鹿だって。…来るんじゃなかった。馬鹿みたい、あたし…」

ああーー。
この女特有のぐだぐだ感。
わかるー(苦笑)。
果たして和成さんは陽子の前に回り込むと、

和成「ちっと待っておくれや。ちゃんと話聞いてくれよ」
陽子「だって、和さん困ってる…」
和成「困ってるわけないだろ。たまげただけだよ」

くっ。
困ってるくせに!小悪魔めー!
そしてともかく陽子を座らせて、向かい合います。

和成「ごめんよ。俺の説明が足りなかったね。この月末が納期の、大口の仕事があって。大量の陶器を焼き上げないと困っちまうんだよ。ここの人たち。だで、そこまでって思ってたんだ。大した助けにはならないけど。重森(戦友の名前)もさ、仕事のこととっても気に病んで、心配してたみてえだったしさ。それだけだよ。それだけなんだよ、陽子。
…いや、それだけじゃねえな」

…肺病だったんでしょー…?
長くないってわかってたんでしょー?
なのに大口の注文……?
エー。このこのー(?)。
で、それだけじゃないって!?(実際ここで1話終わった。くそう、ひっぱるな朝ドラって!)

和成「正直言うとさ。ちいっと、面白えんだ。仕事。器作るの。だで、ちいっと夢中になっちまった。うちの店へ出すものをさ、自分で作れるようになったらいいと思うんだよな。申し訳ねえ。悪かった。余計な心配かけちまって。悪かった。
…分かって…くれたかい?」
陽子「あたし、何も質問してません」
和成「あ、そうか。そうだな」
陽子「和さんが勝手に喋ってるんです。あたし、説明してくれなんて言ってません」
和成「もう…怒るなよ」
陽子「怒ってません」
和成「怒ってるだろ。…大変だったろ、ここまで一人でくるの。遠かっただろ。大丈夫だった?」

なんだとこの小悪魔ーーーーーーーーーーーーー!!!!!
ここまで言ってくれる男がそうそう居りますでしょうか。
素直に詫びの言葉は出るわ気遣う言葉は出るわ、すごいなこのヒト。
ところが、手近にあったものを投げつけて泣き出す陽子。まあ、甘えてるのかこれは。

和成「そんなに俺のこと…信じること出来ねえのか」
陽子「信じるとか信じないとかの問題じゃないと思います」
和成「そんじゃあなんだよ」
陽子「信じるとか信じないは私が考えることであって、信じることできないのかって相手を責めるのはおかしいと思います」
和成「…へ理屈言うな」
陽子「…わかりました」
和成「家族捨てるとでも思ったのか。そんなわけねえだろう」
陽子「家族という考え方だったら、そうかもしれません。あなたはそんなことする人じゃないって思います。でも私とあなたは夫婦です。夫婦でいるのは家族だからじゃなくて、お互いに好きだからで、一緒にいなきゃいけないってわけじゃないと思います。男と女って意味で言ったら、私以外の方を好きにならないなんて自信、私にはありません。
…私はここに、家族としてきたんじゃありません。妻として来ました。自信なんてそんな、ありません。和さんが帰って来なかったら不安に思うし、怖いし、誰かにとられてしまうんじゃないかって、思うし。やきもちだって焼くし、私だって、こういうときに家族だからって言われるの、イヤです。女じゃないみたいで、イヤです」

昭和25年の田舎にしては随分なんというか、価値観が今っぽいけどそういうものだったのだろうか。

陽子「…なに言ってんだろ、あたし。…イヤですよね、こんなこと言われるの」

ようし。
女がぐだぐだとなったときはひたすら言いたいことを言わせておけばいいのです。
そのうち放っといても「なに言ってんだろ、あたし…」が出ます。男はそこからが勝負だ!
勿論この小悪魔に抜かりはありません。
出た!にこーっと小悪魔スマイル!!!

和成「幸せだなあ、俺は。陽子にそんなに想われて」
陽子「…もう!!」

和成さんの着替えとかをばしんばしん叩き付ける陽子。

陽子「反省してるんですか、もう!和さんがちゃんと説明してくれればこんなことになってないんですからね、もう!分かってるんですか!?」
和成「わかってます。すいません」

男と女のすれ違いですねー。
そうなんだよ。男の人は「黙って俺のことを信じてくれ」で、女の人は「ちゃんと言ってくれれば納得出来たのにー!」(実際納得しないで駄々こねることも多いけど)と思って、そこがね。古今東西のテーマですね。
でも黙ってて分かったらそりゃもうエスパーだよ。と私は思いますが。

和成「一緒に帰ろうか、俺」
陽子「いやですそんなの」
和成「なんで?」
陽子「まるで私が連れ戻しに来たみたいじゃないですか」
和成「…そうか」
陽子「お仕事、終わってからで良いです。ちゃんとしてからで、いいです」
和成「ありがとう!」

…小悪魔、本当に帰る気はなかったな…?
そう言えば陽子はこう言うと分かっておったな、おぬし…。
嬉しそうな小悪魔だこと。

和成「頑張るよ!」
陽子「はい」
和成「あ、これからさ。ちょっくら仕事見て行かねえか?面白いよ」
陽子「…はい」

陽子の「あーもうしょうがないなこの人は」っていう表情がよかったです。
そうなのよ、男の人ってしょうがないのよね。

陽子「あ、さっき、へ理屈言うなって言いましたね。すいません、へ理屈ばっかり言って」
和成「いや…」
陽子「安心していただいているのは嬉しいんですけど、わかりませんよ。私だって、他の男の方を好きになってしまうかもしれないし、とっても素敵な人に熱烈に愛されたりしたら、わかりませんよ、私だって」
和成「誰に?」

素!小悪魔、素!!!
「誰に?」って!
そりゃ小悪魔より素敵な人なんてそうそう居ないと思うけどさ!っく!

陽子「素敵な人ですよ」
和成「だから、誰に?」
陽子「ハンフリー・ボガードとか。…何がおかしいんですか、わかりませんよ」
和成「いや、分かるだろ」

ハンフリー・ボガード。
和成さんと陽子がデートで見に行った映画「カサブランカ」の主演俳優ですね。
まあここでとっさに「タケオ」とかは言えないわな…。素敵じゃないしな…(言っちゃった)。
あ、「川原さん」って手があったじゃないか!くぅ、惜しい!…元気かな川原さん…。
そんなわけでにっこり笑って仲直りをし、陽子は安曇野に帰って来たのでした。

百白花では東京から帰って来た育子さんが話を聞いて心配し、真知子さんも呼んで一緒に待っていました。
「せっかくだからお泊まり女子会やりましょう!」
ってな感じで次回に続く!
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