美術渋滞

行きたい展覧会が重なり合って大渋滞しておりました。
そして行きたいだけこなしてきた自分に拍手。


・奇想の系譜展〜江戸のアヴァンギャルド
岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳、白隠慧鶴、鈴木其一という、江戸時代の「尖った」絵描きの作品を集めた展覧会。
とても見応えがありました!
若冲の鶏親子の絵は、「微細に描かれた雄鶏、『なにかっこつけてんの』と言いたげな雌鶏、『丸に点々』で記号化され、可愛さを追求されたヒヨコ」という感じで大変素晴らしかったです。書き込めばいいというものではないとしみじみ思いました。
他の方も、現代の漫画に通じる動きの描き方とか、とてもとても面白かったです。


・トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美
イスタンブールのトプカプ宮殿から来た170点あまりの美術品等。
いや、もう、覚悟はしてたんですが桁が違う金持ち具合でした。本場のトプカプ宮殿にはもっとすごいものがざらざらあるのでしょう。解説板に「バケツから溢れた宝石」とか書いてありましたし。
展覧会はのっけからスルタンの玉座。とりあえず豪奢。その上に燦然と輝く吊るし飾り。特に実用的な意味のない吊るし飾り(勿論金)にはめられていたものは冗談抜きで赤ちゃんの拳くらいの大きさのエメラルドが3つ。その周りは小さな、と言っても普通の婚約指輪なんか話にならないくらいの大きさのダイヤモンドたち。
その他翡翠をくりぬいて作ったマグカップに金細工を施し、更にエメラルドやルビーやダイヤモンドで飾り付けてあったものや、宝石でびっしり飾られたペン、宝剣、飾り帯等々本当にオスマン帝国の勢いを思い知りました…申し訳ありませんでした…。
16世紀頃は宝石のカット技術が発達していなかったのか、ともかく不揃いとはいえ宝石の数で勝負だったのが、18世紀あたりになると技巧で勝負になってきたのも興味深かったです。
中国の磁器皿に「宮廷の好みに合うように」と金細工を施し宝石をちりばめたものは、なかなか見ないなあと思いました。
あと、「皇子だか皇女だか用のベビー布団」にまで細かい刺繍が施されており、なんて贅沢な…この上にお漏らしとかされたら泣くしかないな(発想が小さい)…と思って見ていたりしました。
豪華な気分になれる展覧会でした。満足。


・ラフ∞展
天野喜孝、大河原邦男、秋本治、高田明美ら元タツノコプロの人たちによる、ラフ画がメインの展覧会。
私は天野喜孝に滅法弱いのでそれ目当てに行ったのですが、どうしてどうしてさすがの大御所揃いの展覧会で、ついじっくり見てしまいました。
天野さんの絵は常に「風」を感じて持っていかれそうになるな、と思ったり、ラフスケッチの時点で「え、ここ一発描きなの?」と思ったり。
大河原さんのメカニックデザインはかっこいいものからコミカルなものまで、私が見たことのあるアレやコレはこの方だったのか!と今更驚いたりしました。ガンダムくらいしか知らなかった…。
秋本さんは言わずと知れたこち亀の作者ですが、ずらーっと並んだネーム(漫画の設計図)の他に、神田明神に奉納された絵巻も来ていて、見たかったので思わぬラッキー。
高田さんの原画は美しいんだろうなと覚悟し、衝撃に備えていたのですがそれでもなお吹っ飛ばされるような美しさでした。え、なにこれ。なにこれ。前世でどんな徳を積んだらこんなに美しい絵が描けるんですか?この柔らかく可愛らしく吸い込まれそうな天使の絵(魔法の天使クリィミーマミ、だもんなあ…)が描けるようになるには私なんか100回転生して鍛錬しても足りないです。
更にこの4人が互いの作品を描きあうというとんでもないコラボが実現し(高田さんは「メカが描けない」という理由で大河原さんの作品のみ描いてらっしゃいませんでしたが)、そこだけ撮影可だったので撮りまくって来ました。個人的には高田さんが描いたガッチャマンのイケメンっぷりに一番クラクラいたしましたです。
満足ーー!!!


展覧会っていいものですね。フー。
かんざき * 絵、イラスト * 22:39 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

展覧会の夏

気になる展覧会2つ行ってまいりました。
今年は意識して展覧会に行くようにしています。だって行きたいから。


・羽海野チカの世界展
数年おきにやっていて…というか全国ぐるぐる回ってまた都心に帰ってきた展覧会。何度見ても良いものは良いので行ってきました。今回の展示場は松屋銀座でした。入り口付近に大変人が集まっていたのでこれはやばいと思ったのですが、大半は隣の「林明子展」に流れて行ったのでホッとしました(酷い)。
雑誌で発表されたけどコミックスに収録されていない話の生原稿が展示されていて、前にも見た事があるんですけれどもやっぱりモダモダするなって!素敵!
入場者特典の「3月のライオン」13.1巻はあかりさんのハイカロリー話でした。
…しかしポテサラに刻みラッキョウって美味いの?美味いのか???と首をひねった神崎だったのでした。
あかりおねいちゃんは大好きなんですけれどもね。


・いのまたむつみ展
宇宙皇子、風の大陸、サイバーフォーミュラ、小説版ドラゴンクエストってチョイスはもうなんていうかどうしたらいいのかなって…。
ズガンズガンなにかを撃ち抜かれながら見てきましたが、生絵はベラボウでした。画力の暴力。そらもうマイケル・ジャクソンも一目惚れしますわな(なんでも来日したマイケル・ジャクソンが書店でみかけたいのまたむつみの画集に惚れ込んで、彼の方から申し込んで対談が実現したとかなんとか)。


良い絵を浴びると心の水が満たされる気がします。
夏の展覧会では、あとひとついわさきちひろのやつも行かねばならないので行きますよ。楽しみ!!
かんざき * 絵、イラスト * 23:20 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

ヴェネツィア展

先日の日記で登場した、江戸東京博物館でやっている「ヴェネツィア展」に行って参りました。
「えいやっ」で行かないとどうもねえ。

ヴェネツィアって塩野七生のエッセイで読んだのと、ワンピースのウォーターセブンのモデルになったところ…だよなくらいの知識しかなかったので、詳しいであろう人(私見)に一緒に行ってもらって色々と教えてもらいました。
知らないことは知ったかぶりしないで教えてもらうのが一番です。

目玉…のはずの「二人の貴婦人」も私には「知らんなあ」という絵で、知ってる画家と言えばティエポロくらい?だったので、「この展覧会12月までやっていけるんだろうか。大丈夫だろうか」と心配していた(余計なお世話)のですが、点数も多いし、ヴェネツィアという都市の様々な面が見られて、歴史的に面白い展覧会だったのではないかと。
ゴンドラの先の装飾なんてそうそう見る機会ないしなあ。
帰ってから塩野七生の「イタリア遺聞」一番最初の「ゴンドラの話」を読み返したら「あー、私それ見て来た!見て来た!」とはむはむ感心しました。やっと具体的に想像がついた。
展覧会の作品には短い解説文がつきものですが、今回は展示の後半になるにつれて解説にどうも私情が入ってるくさいところが面白かったです。
「〜〜(普通の解説)。横の男性は夫と思われるので、誘惑の絵ではないと思われる」とか。最後のやついらなくない?気のせい?誰、書いたの。
ヴェネツィアのシンボルであるマルコくん(羽の生えた獅子)は、絵より彫刻の方が可愛かったです。
本に前足を「のしっ」と乗せているところが。

…逆に言うと「すごい名画!」とか「この装飾がすごすぎる!」とかいう目玉はないっちゃないので、有名どころの、見るだけで「ほー!」と溜息が出てしまうような即効性のある感動は期待出来ないかもしれません。ヴェネツィアングラスはまだ発展途上のやつで、でかいシャンデリアも「すごいけどどっかおおざっぱだ」という印象だったし、ヴェネツィアン・レースもそれ単体で展示があるわけじゃないし。印象は人によると思いますが、じっくり見てヴェネツィアという都市の生活様式とか歴史とか、そういうのを考えるのが楽しい展覧会と思った方がいいんじゃないかなあ。
考えながら見ているとあっというまに2時間くらい経ってしまうような、想像力を必要とする、見応えのある展覧会でした。
たまにはそういうのもいいな。


…あれ…オチがない。
ええとええと……そうだ!イタリア繋がり!
法事に行った時に、田舎で海外サッカーの結果を見ていました(義弟がサッカー好き)。

私「マンチェスターってCとUがあるんだ!」
義弟「あります。CityとUnited」
母「ベッカムが居たのは?」
私「ユナイテッドでしょ(私が知ってたのはユナイテッドしかなかったから)」
義弟「有名な選手はだいたいユナイテッドです」
私「いつも思うんですけど、インテルってチームはどこにあるんですか?」
義弟「あれは正確には『インターミラノ』といいます(もっと正確に言うと「インテルナツィオナーレ・ミラノ」)」
私「えーーー!!!!イタリアだったのですか!そしてインテルがスポンサーじゃなかったのですか!」
義弟「ハイ」
私「初めて知った…サッカーのチームって地名が原則(だと思う)なのに、どうしてインテルだけ大々的に企業名をつけて宣伝してるのかと思ってました…おお、ミラノだったのか…」
義弟「…インテルは入ってないです」
私「『インテル、入ってる』は日本のコピーが先ですよ!『intel inside』の方が後ですよ!」
義弟「へーっ」

せめて無駄知識をお返ししてみました。
知らなかったよインテル…。
かんざき * 絵、イラスト * 21:58 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

ハチミツとライオン

現在池袋西武で開催中の羽海野チカ原画展「ハチミツとライオン」に行ってきました〜〜〜〜〜!!!

「3月のライオン」6巻で告知を見て、たまたま品川駅でポスターを見て、「これは行こう」と心に決めてました。
でもいつ行こうかなあと迷っている最中に先週別の用事で池袋に行きまして、なんだか思ったより空いてるし、えいやっと入ってしまって大正解。
多少進みは遅かったのですが、思っていたよりまともに見られました。
入口にゲストの方たちが描いた色紙があるのですが、メンツがすごい。
覚えている限り、順不同敬称略で、

あずまきよひこ、高橋しん、一条ゆかり、よしながふみ、渡辺竜王、先崎学、おかざき真里、中村光、杉田智和、神谷浩史、藤島康介、神山健治他

…なんか「言われれば思い出す」人も確実にいるんですが…すみません…。でもこれだけでもすごいっ。
特に高橋しんの「はぐちゃんと零くんの寝顔」カラーイラストが…あああこのひとは…!さすが「最終兵器彼女」…!
あとよしながふみの描いたひなちゃんも可愛かった!

原画そのものも素晴らしかったです。絵はやはり生で見てなんぼだ。どんなに精密に複製したとしても、生にはかなわない(とうちの恩師も言っていた)。カラーイラストの繊細さが素晴らしい。
欲を言えば使用画材を作品ごとに載せて欲しかったけど…わ、私が分からないだけでしょうか。びくびく。

…それもさることながらですね。
この展覧会の一番の見所はやはり、「雑誌に載ったけど現時点でどこにも収録されていないし、少なくとも収録される予定がない」ハチミツとクローバー番外編でしょう!!!
「えいやっ」と私が入ったのが会期前半。
「おお、読んだことのない話だー!」と喜んでいたら、「13日から別の短編と入れ替えます」との掲示(8月6日〜18日までという会期と、13日から入れ替えっていう日程はコミケ上京組を狙い撃ちにしたとしか思えん…)。
うあー、来ておいてよかった!やっぱり「展覧会は会期の前半に行け」は鉄則だ。
前半は一平さんのお話でした。いい話だ〜読んでよかった〜〜。
後半も来よう。でも、ま、前半ほどいいお話っていうのも難しいかな。
どちらにせよ「ハチクロ」と羽海野チカの仕事場風景(飼い猫の写真もたくさんありました〜〜!!超可愛かった!)とネームの生原稿に時間を使いすぎたから後半の「3月のライオン」はざっとしか見られなかったし、2回見てもいいや♪

…とか思っていたら。とか呑気にしていたら。

後半は、野宮さんとあゆの話でしたーーーーーーーーー!!!!!!
うっ…うおおおおおお!!!
前半に勝るとも劣らぬっていうか…やはり羽海野チカはすごい。
私は行きつ戻りつ見ちゃったのですが、落ち着いてから最後のページを見終わったお客さんの顔を見ると、老若男女関係なくにやけてました。私も勿論にやけました。だよねー!
油断してたボディーに160キロストレートを叩き込まれましたよ。
あー、見ておいて良かった!
前期…の漫画はもういつ見られるか分かりませんが、後期の漫画は18日(この日だけ17時で会場が閉まるそうなので、要注意!)まで見られます。
漫画以外の展示作品は前期と変わりませんが、その為だけでも見る価値はあると思う!個人的に!

満足したー、って思って同じく羽海野チカファンの春蝶姉さまに「後期もみました!よかったです!…今回の展示が終わったら即単行本収録だけは勘弁してくれよ?と思いつつ…」と何気なくメールを送ったらば、「ウミノ先生がつぶやいてたけど、収録する気はないらしいよ」とのこと。
えええっ。
帰って確認しました。本当でした…。


羽海野チカツイートより(ツイートってツイッター以外で引用していいのだろうか。リツイートがアリだからアリなのか?プライベートじゃなくて公人のもので、引用元をはっきりさせればいいのだろうか…なんか小心者ですいません)。

「マジレスであります。未収録は二話で、40ページくらいしか無いのです。単行本は集英社は通常192ページ無いと 難しく…。ハチクロの続きは執筆予定がありません。収録するとなれば完全版に入れるしか無く、」
「でも、以前「完全版にハチクロの未収録の読み切り入れたら先生の事嫌いになります。同じ漫画、何度買わせる気ですか」とツイートをいただき、考え込んでしまいました。『嫌います』は漫画家にとって『死ね』とかなり似たインパクトを持ちます。 うむー(´ω`)」
「ウミ子はもう短編も短編集にいれ尽くしてしまったのですΣ(゚д`*;) もう、短編無いので短編集も出せないのです」

(引用元:こちらこちらこちら


…だそうなので、今回を逃したらいつ見られるかわかりません!
前期見終わった時点でここになにがしかの感想を書こうと思ったのですが、「こんな辺境のブログとはいえ、口コミで広がって入場者数が激増して後期私が行く時に入場1時間待ちとかなってもつまらぬ(実際土日はものすごく混んだらしい)。私が見終わってから書こう」と思った自分の心の狭さを(若干)反省。少なくとも前期漫画に関してはただの自慢になってしまいました。すみません。
都内近郊に在住の羽海野チカファンは是非!!!
かんざき * 絵、イラスト * 23:24 * comments(0) * trackbacks(0) * - -
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