ローカルワード

友人に借りた「青空エール」を読みました。
ヒロインが吹奏楽部で、野球部の男の子を好きになって応援したいとかまあそんな漫画(雑)。
良い子たちではあるんだけど、ヒロインは部活を辞めそうな先輩を励ますために夜(おそらく20時くらい)に住宅街で、しかも複数人でトランペット吹いたり、好きな男の子が出た野球の試合に応援に行って、負けたら思いが高まりすぎて両校の礼の最中だか後だか忘れましたが明らかにモラル違反のタイミングで校歌吹いたり、自分が先輩になったらなったで後輩の男の子が辞めそうとなると部活後毎日家に押しかけ、「夜に来られてもちょっと…」とやんわり断られると毎日手紙を出すというよく考えたらサイコなことをやってました。
野球部の彼も彼で3年になるや「俺が主将になったからには1年誰も辞めさせないで甲子園に行く!」と息巻いていて、いや、その気合は結構だけど辞める辞めないは個人の自由であって、他人の選択を自分の目標にしない方がいいよ?あと入ったからには辞めさせないってどこのキャッチセールスだよと思いましたが若さですかね。そういうのはね。

…いや、それはどうでもよくてですね、その漫画の中で、


コンクールで金賞を取るも上位大会進出は逃す


という現象のことを「ダメ金」と呼んでいたんですよ。
吹奏楽には明確な「勝ち負け」というのがないので、学生のコンクールでは金銀銅の3ランクに分けられて、金のうち上手いとこ複数校が上位大会に進めるわけですね。
今調べたらアニメの「響け ユーフォニアム」でも出てきたらしいですね。

…その現象、我が母校の吹奏楽部では「カス金」と呼んでいたんです。
でも誰に聞いてもそんな呼称は知らんというのです。ネットでちょっと検索しても出てこんのです。
えーーーー。
まさかうちの高校ローカルだというの?まさか???
「カス金」という情け容赦のないところが、今思えば高校生っぽい含蓄に溢れているなとか思っていたのに。
うちの高校が「ちょっと変だった」という自覚はあるのですが、まさかそんなところにまで罠があったとは思いませんでした。
「カス金」という呼称をうちも使っていたよ!という方がいらしたら神崎までご一報ください。
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かんざき * 読んだものの感想 * 23:11 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

漫画寸評

今回の日記は色々漫画のネタバレ含みますんですみませんということで。


・タッチ
「私、今まであだち充作品1つも読んだことないの」というと、友人たちから「…どうやって日本で育ってきたの?」と不思議な顔をされておりました。
…しょうがないよ…育ったものは…。
不朽の名作「タッチ」も読んだことはなく、しかしてエピソードとラストだけところどころ知っている有様。
「あれだ、達也と和也がいて、和也が事故で死んで『きれいだろ…死んでるんだぜこれで…』とか言って、隣の家の幼なじみの南ちゃんが『甲子園に連れてって』って言って達也が甲子園に行って優勝する話」
とあらすじをいうと「バカ!」「ちがう!!」と罵詈雑言を浴びました。ウウウ。
私のそんな状況に危機感を抱いたのが友人のすいちゃんでありまして、先日会った時につとKindleを差し出されました。

「瑠珠さん。この中に色々と入っております。全部とは言わないがまあ読め。そしてあだち充作品は『タッチ』→『(忘れた)』→『(忘れた)』→『MIX』の順で読め」
「ハイ…」

そんなわけで借りられたのですくすくと読んでみたら、さすが不朽の名作、とても面白かったです。
つうか達也がこんなにいい奴だと思わなかった。すげえいい奴だお前。
私は普通にイケメンの新田君もすきなんですが、「…ちゅーても当時の工業高校では、こんなスカしたイケメンでも偏差値はたかがしれてる」とか失礼なことを思ってしまいました…ゴメン…や、でも不憫なイケメンは好物だから応援したよ?うん。
途中アンケやばかったのかなんだか知りませんが、不要なパンチラが散見される他は面白かったなーと思いました。
他のあだち充作品も楽しみです。…次、俺は何を読めばよかったんだろうすいちゃん………。


・きょうは会社休みます。
ドラマはみていなかったけれど、同僚がドラマにハマっていてなんだかうっかり原作をレンタルで読んでしまっていた作品がこのほど完結。
いやーーーーーーーーーーー………もう……………これほど主人公の女に対してストレスがたまる漫画もなかったです。
我慢して完結まで追いかけてしまったけど、終わってほっとした…終わり方は納得いかなかったけど。
どういう話かというと、彼氏なし処女の33歳OLがふとしたことから会社のバイトのイケメン男子(一回り年下の大学生)と一夜を共にしてなんだかんだで付き合って、うっかり結婚に持っていてしまう話。
「ふとしたことから」の間に普通暗くて深くて遠い溝があるだろ!!!と思うけどそれはまあいい。
私がこの主人公の何が気に入らないって、グダグダ悩む割にコイツ自身が何も損していないところです。
途中これまた「ふとしたことから」他会社のヤンエグ(死語)に惚れられても、揺れつつも「ちょっと私彼がいるんで…」と断り、一回り年下の学生を今後どうするのかと思ったら、「やっぱり早く結婚したいし」と悩んで結果彼の方が大学院進学を断念して就職し(主人公に「大学院行かなくていいの…?」と聞かれた彼は「勉強はいつでもできるし」とか言ってたけどできないよ!!!!騙されるなよ!!!)、結婚が決まるか決まらないかくらいの時には上司から「主人公さん、総合職を目指さない?」と打診されるもやっぱりウダウダ悩んだ挙句「でも彼と結婚したらすぐ子供欲しいし…そのためには総合職じゃちょっと…」と断って私の血圧ダダ上がりですよ。アホかーーーーーー!!!!!若い彼氏の未来摘んどいてお前はそれか!!!「あなたが勉強できるよう私が稼いで養ったる」くらいの根性見せんか!!ゼーハー!!!
…もういつその年下大学生のイケメンくんが「なーんちゃって嘘でしたー。アンタとつきあうわけないじゃん」と言いだすかそれだけを楽しみにしていたのになんと普通に結婚してしまい、ラストは結婚式の翌日起きられなくて「きょうは会社休みます」と電話して終わりでした。ふーーーーざーーーーーーけーーーーるーーーーなーーーー!!!!
…と、怒髪天をついたお話でした。買ってなくてよかった。レンタルありがとう。チャンチャン。


・そこをなんとか
これまたレンタルで1〜3巻まで。今13巻くらいなのかな。元お水の女の子改世楽子(かいせらくこ。あだなはらっこちゃん。それでも新60期の弁護士)が主人公の法律事務所もの。
リアルの仕事に近いので、用語とか「うう」と思いながら読みましたが絵はめちゃめちゃ綺麗だし、話も面白いです。主人公の女の子も可愛い。
私が一番「ウワァ」と思ったのは9話。新人弁護士の同期飲み会にて。

「それにしても!新人は辛いよねー。下働きばっかり!」
「もー毎日DD漬け。タイムチャージ安いからってさー」(注:DD…due diligence。M&A相手の身上調査)
らっこちゃん「ウチも下働きばっかりだよー。毎日アニ弁に起案やらされたり文献やら判例やら調べさせられたり、ついでに謄本取ってこいだの訴状出してこいだの手下のように!お前に給料貰ってるわけじゃないっての!」
(注:らっこちゃんの事務所は弁護士3人の事務員一人)
「パラリーガル(法律事務員)いないのかー。大変ねー」
らっこちゃん「えっ、それは普通にいるものなの!?」
「や、よそのことはよく知らないけど」

そこで日本四大事務所に数えられる超大手法律事務所に入ったエリートボンボンくんが一言。

「つか、秘書いないの?そんな雑用やらされて」

うっわーーーーーーーーーー…。
コイツ絶対秘書さんに「もう、弁護士やる以前にどっかの一般企業で机の上の雑巾がけからやってこい!」って陰で言われてる…………絶対………………。

ま、まあそれはさておき先が楽しみです。ぐはっ。


今回はここまで。
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かんざき * 読んだものの感想 * 23:25 * comments(3) * trackbacks(0) * - -

左門くんはサモナー

本日発売のジャンプの話なので、コミックス派の人は申し訳ないのですが。

美女と野獣のねちっと感想とか旅行記とかそういうのをすっ飛ばして今日は叫ばざるを得ない。


「左門くんはサモナー」が本日発売のジャンプで、

終わってしまったーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!ァァァァァアアアア!!!


…さ………最近話の展開が「ちょっと生き急ぎすぎじゃね?」とは思ってたの。掲載順が巻末に近くね?とは思ってたの。思ってたけれども、つい最近センターカラーとかもらえたし、同じくらいの掲載順の「火ノ丸相撲」がいきなり巻頭カラーもらってたし、シリアスバトル編が終わって日常回に戻った感じだったからこれは…っ!って思ってたの。思っていたけれどもまさかの「HUNTER×HUNTER連載再開!」でイヤな予感がして………そろそろ新連載が幾つか始まりそうな予感だったので、その数によるかなーと思っていたら!最悪HUNTER×HUNTERが始まる前の週に終わってしまうかもあと3話くらい?そんなー!と思っていたら!!今週で終わるなんて終わるなんてーー!!

もう気になって気になって金曜だか土曜だかの時点で「左門くん」でリアルタイム検索したら早売りジャンプ組からの「連載終了」という悲痛な叫びが上がっておりまして、い、いやいやいやそんなデマ信じないよ?とめちゃくちゃ動揺しておりましたが、本日ジャンプを見たらやっぱり…でね。
一応最低限の伏線というか気になる点は回収されていたし、ジャンプの別冊で読み切りがあるとか、完結記念LINEスタンプ発売とかあるので、まるっきりの打ち切りってわけではない…のですが…………。
自分が入れ込み始めて赤マル急上昇中、さあこれから友人たちにも本気で売り出していくぞーー!!と拳を振り上げたところで終わっちゃうパターンというのは初めて喰らったので、相当凹んでいます。ホント。
左門くんとてっしーちゃんのラブが気になっていたのに。私はあれを結構本気の恋愛ものとして楽しんでいたのに!いや、ギャグ回も好きだけど。そしてネビロスさんは私がもらうねって思っていたのに!
これはやばいアンケート出さねば、と生まれて初めてジャンプのアンケート書いて、「あなたの年齢は?」って聞かれているところで実年齢では編集部への影響が小さすぎると思ってハタチまで年を偽って出したのに!!(あとで調べたらやはり「少年ジャンプ」だけあって小中学生男子あたりの票がマストらしい。ちくしょう!)
ああーーーーー…来週からもうジャンプ買う気力がない。マジでない。他の気になる漫画(約束のネバーランドとか)はコミックスでいいじゃん…いいじゃないですか…HUNTER×HUNTERの連載再開がこれほど恨めしかったこともかつてないですよ。
どなたかが左門くん終了について「着地点はよかったけど、私はもっとそこにたどり着く過程の話を読みたかった」と呟いててそうだよそうなんだよとうんうん頷いてしまいました。
ジャンプ+とかスクエアとかへの移籍でもいいから描き続けて欲しかった。
例えば葦原先生は「賢い犬リリエンタール」で4巻打ち切りを喰らって、その次の「ワールドトリガー」がヒットしてそれはすごくよかったねと思ってワールドトリガーも好きだけどやっぱりリリエンタールの話をもっと読みたかったしワールドトリガーはリリエンタールではないのです。
沼先生はこれからまたジャンプで描くかもしれないけど、それは「左門くんはサモナー」ではないのです。
それがたまらなく嫌だーー!!うわーーーん!!!
そして最終話のタイトルが反則だーー!!うわーーーーん!!!!!


…読んでない方には何が何だかの話で申し訳ないのですが、もう心が叫びたがっていたので叫ばせてあげることにしました。
ううううう。
同様の嘆き多数で「左門くん」がツイッターのトレンドワードに入っていたのがせめてもの救いです。
…………最終話アンケ出そう………グス………。

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かんざき * 読んだものの感想 * 23:08 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

情熱を君に

先日、久々に友人のすいちゃんに会いました。
ヲタク話で相当話し込んですげー楽しかったです。…が、それはいいとして。
会うなり彼女がコトリとテーブルに置いたものがありました。

「るーじゅさん。これタイバニ(オーケストラかなんか)のブルーレイ。新作アニメ入ってるから」

おお、ありがとう。

「あとこれ」

タブレット?

「私のおすすめが入ってるから!!」

楽天koboでした。
電子書籍リーダー…。
え、これごと???

なんと彼女は私におすすめ漫画を広めたいあまり、手元にあった端末ごと貸してくれたのでした…。
なんちゅう力技。
あとで中をみたらば、ジャイアントキリング、キングダム、ダイヤのエースが入っておりまして、どれも40巻コースだよ!?(しかも全部続刊中)
これ紙で持ってきたらえらいことになってたんだろうなあとしみじみいたしました。
…じゃなくて。
彼女のおすすめはたいがい私を外さないので、読み進むのが恐ろしいです。ちくしょう。
それにしても私、ジャイアントキリングっててっきり進撃の巨人的な話だと思っていたら違ったのね。サッカー漫画だったのね…。
友情に感謝しつつ、ありがたく読み進みます。kobo軽くて持ち歩きにいいね。見開きできればもっといいのにね。ちぇ。
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かんざき * 読んだものの感想 * 23:14 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

気分転換

現在読書時間は電車の中のみ。家では漫画を読むから(ダメな大人)。
てなわけであんまり取れないのですが、最近気が向いてアンデルセン童話を読んでました。
おやゆび姫とか懐かしいですね。
で、その中で今読んでも納得がいかないのは「豆つぶの上に寝た王女様」であります。以下、青字はあらすじ。


どこぞの王子様が「本物のお姫様と結婚したいものだ」と思い、世界中をさまよったのですが誰も彼も「なんか違う」と思って国に帰りました。
すると嵐の晩に城の戸をとんとんと叩く音が聞こえて、年取った王様が門を開けに行きました。



…もうこの時点でいくつツッコんだらいいのかわからんのですが、とりあえず「お前ら本当に王族か」っていうね。
王子様の「お姫様が欲しい」願望もフワっとしていてよくわからんし、「なんか違う」って20代女子かお前。
あと嵐の晩に戸を叩く音が聞こえるの?そして王様自分で門開けに行くの?門番いないの?城狭いの?なんなのなんなの????


門の外に立っていたのは一人のお姫様でした。雨と風とでひどい格好をしていましたが、彼女は自分はお姫様ですというのでした。


ちょっと妄想癖ありそうだから帰ってもらった方が(真顔)。


年取ったお妃は、寝台の上に1粒のエンドウ豆を置きました。その上に敷布団を20枚持ってきてそのエンドウ豆の上に重ねた上に、ふかふかした羽根布団を20枚その上に重ね、お姫様はその上で寝ることになったのです。


笑点か。
あと王もお妃も年食ってるという描写があるので、王子様は幾つなのかと考えるとちょっと怖い。
それとも年取って出来た子だから甘やかしてる設定って意味?

そして翌朝、寝心地はどうでしたかと聞かれたお姫様は、「ひどい目にあいました。一晩中まんじりともできませんでした。何か布団の下に硬いものがあって、身体中があざだらけになってしまいました。ほんとに恐ろしかった!」と答えました。


布団にいたダニとかハウスダストアレルギーとかなんじゃ、と今の時代では思うのですが、とりあえずこの恩知らずめ。
しかし、

これで本当のお姫様だとわかりました。本当のお姫様でなくて、これほど感じが細かい人があろうはずがありませんもの。こうして王子はお姫様をお嫁さんに迎えました。


エエエエエエエエエ。
嵐の晩一人でほっつき歩いてよその城に泊まって、泊めてもらったくせに寝床に文句つける女ですよ!?
それがお姫様でいいの!?ほんとに!?
わかんねえなあ……………。

首をひねるかんざきなのでした。
アンデルセン童話、嫌いじゃないんですよ。嫌いじゃないんですけどね…たまに納得がいかんのです。うぐぅ。
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かんざき * 読んだものの感想 * 23:00 * comments(3) * trackbacks(0) * - -

かかる?

ダービーを抜ければそこは6月、と毎年言っている神崎ですこんにちは。
今年はねー。
何がどうこうより恐ろしいのは金子オーナーだということがわかりましたね。
個人馬主でダービー3回て。
一国の宰相となるより難しいダービー馬オーナーなのに。3回も。
もう政治とか金子オーナーにくじでも引いて決めてもらったほうがマシなんじゃ。
ダービー、っていうか昨今の競馬についてはもう少し書くこともあるのですがそれはまた後日。


タイトル。
今週のジャンプを読んでいてちょっとびっくりしました。
巻頭カラーのワールドトリガーの中で、

「ちょっとかかり気味だな」

ってセリフが出てきたんです。
え???
かかるって普通に使う言葉なの?って迷ってしまいました。使う?使うかなーー??
意味としては競馬の「かかる」とほとんど同じだと思うんですが。
ちなみに、かかるの反対は「折り合う」で、JRAのホームページでは「折り合い」は以下のように解説されています(ソースこちら)。

騎手と馬の呼吸の調和状態のこと。人馬の呼吸がうまく合致しているときには、「ピタリと折り合う」などという。またこれに対して呼吸が合わず、ちぐはぐな状態は「かかる」という。

つまり、「かかる」とは馬が自分勝手に行きたがってカッカしちゃってる状態で、そうなるとゴール前ではほぼスタミナ切れで後続にズルズル抜かれてしまったりします。
それはともかく、「かかる」って競馬を好きになる前は日常でそういう意味合いで使ったことのない言葉だったので、普通のジャンプ読者に分かるもんなのか?と思っちゃったのですよ。
葦原先生競馬好きなのかなあ。ドキドキ。
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かんざき * 読んだものの感想 * 22:44 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

消えた天才騎手

ふと気が向いて、島田明宏著「消えた天才騎手 〜最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡」という本を買いました。
この本の出会いは2011年度JRA賞の授賞式でした。福永祐一騎手が最多勝率騎手として表彰された時で、私は親友兼競馬師匠のありちゃんとともにファン参加の抽選に当たって会場の片隅でちんまりとしていました。
JRA賞馬事文化賞をこの本が受賞していて、私もありちゃんも名馬「クリフジ」の名前は知っていたので「読んでみたいね」と言っていたことを覚えています。
ハードカバーだろうから、文庫になるまで待つかと思って寝かせていたのですが、新書でした(待てど暮らせど文庫にならず、調べてやっと知った間抜けは私です)。
前田長吉は戦争で亡くなった騎手なので、終戦70年後の年に読もうと思ったのも何かのきっかけかなと思いながら読みました。


読み進むにつれて、前田長吉という人は幼い頃から今の騎手とは比べものにならないほど馬と接する機会が多かった…というより幼い頃から馬とともに生活してきて、馬がいない生活を考えたことがなかった人であっただろうこと、全般的に昔の騎手は今の騎手よりずっとずっと馬と接する機会が多かったことなど、興味深いことを色々知ることができました。
前田長吉のことはこのブログを読む方にも本を読んで知っていただきたいのでこれ以上は書きませんが、私がそれ以外で感銘を受けたのは、戦時中に競馬開催がどうなったかということでした。
クリフジのダービー&オークスは昭和18年。戦争真っ只中で、馬券が売られなくなったり競馬場のスタンド鉄骨が軍に持って行かれたりしても、競馬は「軍馬増強のため」という大義名分を得て続けられました。最後はお客さんを入れず、「能力検定」という名前になったとしても、それでも続けられていきました。
私はあまり詳しく知らない上に…こんなこと言っていいのかはわかりませんが、なぜか安心したのです。
競馬は無くならない。馬が走る、ただそれだけのことだけれども、それだけのことを人が捨てられないほど魅力的だから、好きでいる限り絶対に無くならないと思ったから。というより嫌いにはなれないものだから。
だから世界がどうなってもどこかで競馬は続く。そう思ったらなんだか胸がいっぱいになりました。


あと一つ。この本は基本的に淡々と書かれていてあまり情感を煽ったりはしないので、勝手に隙間を想像して泣いていた便利な読者が私なのですが、一文だけ情感にどうしても引っかかったところがありました。

「あれほどの名馬(注:クリフジのこと)とともに大舞台に立つことは、騎手としてこの上ない幸せであり、名誉であることは疑いようもないが、もう一度人生をリセットしてやり直せるとしたら、彼はクリフジに乗って出征する道と、クリフジに乗れないが出征せずに済む道のどちらを選ぶだろうか。」

この仮定は無意味だ。と私は思いました。
そんなのはクリフジに乗って出征せずに済む道に決まっているからです。どうしてその二択でなければならないのか。
戦争は不可避ではありません。人間がしようと思うから始まることです。天災ではない。
田中芳樹の「銀河英雄伝説」に、私の中にすとんと落ちた一文があります。引用ばかりで申し訳ないですが。

「いい人間、りっぱな人間が無意味に殺されていく。それが戦争であり、テロリズムであるんだ。戦争やテロの罪悪は結局そこに尽きるんだよ」

死んでしまったらそこで終わりです。クリフジ以上の名馬に会える可能性も、それどころか馬に乗れる可能性もゼロです。死ぬということはその先の可能性がゼロになることです。
ただでさえ事故や天災で志半ばで倒れる人がいるのに、戦争で無理矢理その可能性を絶たれることだけは避けなくてはいけません。

では自分に何ができるのか。
ということを考えた時「忘れないでいるしかないな」と思いました。
こういう騎手がいたこと。戦時中でも競馬は続いたから今があること。その他私が祖父母等戦争を体験した方から教わったこと。それを忘れずに、その上でこれを繰り返さないようにするにはどうしたらいいのかを考え、ただ「戦争はダメだよ」ではなく「どうして戦争がダメなのか」という自分なりの理由を見つけ(多分これが見つからないと「あなたのためなんだから勉強しなさい」というのと同じくらい薄っぺらい言葉になってしまうと思うので)、そして次の世代につないでいくこと。
それが私にできることであり、しなければならないことです。

思いもかけず、「戦争とはなにか」まで考えるきっかけになりました。
単純に名騎手の話として読んでも興味深い本ですが、行間から色々考えられる良著だと思います。
少しでも多くの方に読んでいただけると嬉しいなあと思います。
さすがJRA賞馬事文化賞…と思うとともにこれや「優駿」が馬事文化賞なんだから、「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」はそりゃダメだよなあと余計なことを思ったりしました。後半のグダグダ具合がもうねえ。
ま、それはともかく割と真面目な話なのでした。皆様ご一読ください。
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かんざき * 読んだものの感想 * 23:45 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

架空馬券と桐島と果物

・架空馬券
先日読んだ本に、「当たり馬券をスられる」というエピソードがありました。
それについてありちゃん(親友兼競馬師匠)と語った時の話。

私「当たり馬券をスるのはやめてあげてほしい」
ありちゃん「まったくだ。下手したら現金よりダメージでかいよ。応援馬券だったら『コピーだけでも返して』って思う。実際コピーだけ返ってきたらそれはそれで腹がたつだろうけど」
私「…今『ネオのダービー馬券(あるいはスティルのオークス馬券)だったら』と想像してみた。思った以上に怒りが湧いた」
ありちゃん「グラスの有馬だったら…!」
二人「草の根分けてでも探し出す!!!!!」

スられてもいない(私の場合は買ってすらいない)馬券のことで本気で腹を立ててしまいました。
でもそのくらいのダメージがありますな、応援馬券。


・桐島、部活やめるってよ
友人が貸してくれたので今更ながら原作本を読みました。
…ちょっとまてこれ…。
(以下原作ファンの方に喧嘩売るのは承知ではっきり書きます)
内容もそうだけど文体が。文体が肌に合わなすぎる。なんじゃこの気味の悪い擬音語擬態語の羅列と読点の使い方。

「がらり、と教室の戸が開いた。
 ちろり、と甘い気持ちになる。」
「ピンクが似合う女の子って、きっと、勝っている。すでに、何かに。」

坂木司の「ひきこもり探偵シリーズ」は毒の沼地を歩いているように一歩一歩ざくざくと心を削られましたが、こっちはことあるごとに腹を立てながら読んだので内容がさっぱり頭に入ってきません。
救いは薄い短編集だったことでしょうか。映画で神木くんがやってたキャラの話もなんだか半端だったし、「あの棒読みよりはマシであろう」と思った東出くんのキャラは、

「学ランは今や、エレガントに着る時代なのに。今いち「エレガント」の意味もわからないままに、俺は思う。」

とか初っ端から意味不明なことをいうキャラでしたので、加点にもなりませんでした。
読み終わる前にありちゃんに「これ、まだ最後までたどり着いてないけど映画の圧勝だと思う」と言ったら、「じゃあ野球でいうと何点差が考えてみたら?」という面白い視点をもらったのでそれを考えながら読んだらなんとか読めました。ありがとう。
で、私の評価としては、

「『光るものがある』とおだてられた甲子園出場程度のチームがプロ野球チーム(Aクラス)と対戦し、うっかり大人気ない試合をされた結果2対20の5回コールドで終了」

がぴったりくるかなって。
2点は原作者がこれを書いた当時19歳だったというハンデ。今はもうちょっとマシじゃないかと思いたい…。
作者が素材を提供したという点は認めますが、大人が「お、いい素材じゃん」と思ってよってたかって名作に仕上げてしまったというところでしょうか。キャストがどうこうというよりストーリー、音楽、「桐島」の使い方、どこをとっても映画の圧勝。
いやー、映画ちゃんと見直そう。と思いました。しみじみ。あと大人ってバカにしたもんじゃないなあ。すごい。


・果物
連休に父母が遊びに来ることになりました。
ちょうどふるさと納税でマンゴーとメロンが届いたので、母に「どっち食べたい?」と聞いたらマンゴーと言われたのでとっておいたのですが、うっかり常温で置いておいたら母がくる2、3日前に熟してしまいまして。
おかーさんごめん、と謝って先に食べたのですがマンゴーを楽しみにしていた母からは恨み節をくらう始末。
すんませんすんません。
ところが。

職場のボスの秘書さん「ねえ神崎さん。ボス宛にお中元でマンゴー届いたんだけど、ボス今日来られないんだって。だからスタッフの誰か持って帰っていいよっていうんだけど、いる?」

「渡りに船」という単語が浮かびました。
お中元できたのは宮崎産のブランドマンゴーである「太陽のタマゴ」。
買ったらいくらするんだーー!!
一も二もなく持ち帰りを希望し、母にも「手に入ったよ!」と連絡しました。
元うちにあったやつよりよっぽどいいマンゴーじゃん。ひゅー。

で、父母がくる日の当日。

ピンポーン。「かんざきさーん、お届け物でーす」

はいな、と出てみればこれまたふるさと納税で申し込んでおいた桃。箱入りで9個。
桃も母の好物。
………ちょっと運が良すぎないか母…。
そんなわけで母はマンゴーを満喫し、桃を数個お土産に持って帰ったのでした。
くうっ。

そんな母の運の良さはともかく、我が家には今キウイ、グレープフルーツもありますのでとんだフルーツ天国です。
が、頑張って食べ切るぞ!
おー!
…ふるさと納税、配達日選べるといいんだけどな…(贅沢)。
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かんざき * 読んだものの感想 * 23:08 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

読書整理

最近ちっとも読んだ本のこととか書いてないので、少しは書こうと思って。

・伊坂幸太郎
刊行ラッシュなのでホクホクと読んでます。
でも「あるキング」の完全版はパス。あれは……ちょっと……。好きな作家でも苦手な作品はやはりあって、伊坂さんの場合は「あるキング」と「モダンタイムス」、三浦しをんさんの場合は「光」が苦手。
でも最近出た「夜の国のクーパー」はおもしろかったです。猫可愛いよ猫。ラストまで読んで改めて「この猫ほしーーーーーーーーーーいいいいい!!!!!」と思いました。理由は書くとネタバレになるから書きません。
エッセイの「3652」も面白かったです。…伊坂さん妻好きすぎだ。干支エッセイを頑張って一回りしていて、私は寅が好きです。
今月もエッセイと小説が出るのでウヒウヒしてます。


・坂木司 ひきこもり探偵シリーズ
…このシリーズを貸してくれたのは友人のお嬢様系秘書Sさまなのですが、彼女から「わたし、多分読み返さないと思うから、瑠珠さまが坂木司を集めているようだったらどうぞ」とそのまま貰い受けてしまいまして。
1冊目を途中まで読んだところで、「う”ーーーーーーーーーーーん」とお腹いっぱいになってしまいました。
なんじゃこのBL小説…。
世を拗ねた引きこもり探偵の鳥居が心を開くのは、唯一の友達「坂木司」だけだった。坂木は坂木で鳥居には世の中と関わって欲しい、外に出て欲しいと思いつつそうなったら自分は要らなくなるのではないかと思い、二律背反する感情で揺れ動、もうこんなんでいいっすかね!!!!!!
一事が万事こんな調子の小説で、しかも坂木司くんの語りで進んでいくもので、もう・・・・無理。
私は自分で言うのもなんですが割と面倒見がいい方で、小説はつまらんと思っても最後まで読む、アニメはつまらんと思っても最終回までつきあうことが多いのですが、もうこれに関しては数ページ読んでは休み数行読んでは休み、やっと終わったと思ったらあと2冊もあるという塩梅で、2冊目の途中でギブいたしました。
坂木司は性別を明らかにしていない小説家ですが、これを書いたのが男だったら気味悪すぎるので女だと思うことにします。やな男が「腐女子ってこういうの好きなんだろ?」とわかっていない上から目線で書いた可能性もありますがイヤすぎるので却下します。ううう。
「和菓子のアン」とかは面白いんですよ…ううううう。


・ブラック・ジャック
既読ですが先日電子書籍で一気買い致しました。言わずと知れた手塚治虫大先生の傑作。
ブラック・ジャックも大好きなんですがドクター・キリコの存在が好きで仕方ないです。
どんなことをしてでも患者を生き長らえさせたいブラック・ジャックと、戦場で死ぬに死ねない人たちを見て、助からない患者に痛みも苦しみもないような穏やかな死を迎えさせるドクター・キリコ。どちらにも共通するのは患者に精一杯のことをしたいという医者としての想いで、それゆえに決して交わることがないという関係。どちらにも説得力のある正義があるところが最大の魅力です。
それでもドクター・キリコがもうダメだと思った患者をブラック・ジャックが助けたことがありまして、「お前さん、悔しいかい?」とか聞かれたキリコは「俺だって医者の端くれだ。命が助かるならそれにこしたことはないさ…」と答えます。
なんて魅力的な…。
主人公と対になるキャラクターが輝くという点ではガラスの仮面もそうですね。亜弓さん大好きです。
ブラック・ジャックについてはもう語り始めるとスゲー長くなりそうなのでここまで。


こんなところで。
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かんざき * 読んだものの感想 * 23:07 * comments(2) * trackbacks(0) * - -

BANANA eat world

変なタイトルになった…。
(いつものことです)

気が向いて、BANANA FISH全19巻プラス番外編のPRIVATE OPINIONを一気読みしました。
前読んだ時は主に人間関係を追いながら読んだのですが、もういい大人になったのでBANANA FISH自体に注目して、ストーリーの骨格を辿るように読んでみました。
面白かったです。
そして結末を知っていると随所で泣けます。特に18巻の32ページ(細かい)とかもう駄目です。

アッシュはやっぱり綺麗ですねえ。
最初友人に「アッシュがとてもカッコいいから読んで!」と言われて1巻のアッシュを見た時は「…?そう?」と思ったのですが、「途中髪を切ったら整形したように美しくなるから!」と説き伏せられて読んでみたら確かに5巻で化けました。
吉田秋生さんの絵は無駄な線がなくて、少女漫画というにはやや辛口だと思うのですが、それがまたいい。
実写化するとしたらアッシュはリバー・フェニックス一択ですな(亡くなってます)。

ずーっと昔NHK FMの「青春アドベンチャー」でやってて、割と面白かったです。
英二が井上和彦なの。意外と合ってるの。そしてブランカが古田新太で、これまた合ってるの。
再放送してくれないかなあ。
エンディングの曲がとても素敵で、当時NHKにわざわざ電話をかけて曲名を聞いたっていうのに忘れたという体たらく。
なんだっけなあ。「BEST FRIEND」…?歌手の名前を覚えていないところがもう致命的です。
もやっとするー!

代わりに今回BGMとして何気なく「Jimmy Eat World」を流していたらこれがとんでもなくハマりました。
アメリカ繋がり?
でも私、何故自分が「Jimmy Eat World」のCDを1枚(Clarity)だけ持ってるのかがわかんないのです。
買ったのは確かで、CDショップの棚まで思い出せるんですが、何で買おうと思ったのか全然分からない。だって全然接点がない。洋楽のCDなんてこれしか持ってないし、私の回りで他に好きな人も(多分)いない。
音楽を聴くときは気分に左右されるのですが、このアルバムだけはどんな気分の時でも聞けます。すごく嬉しい時も、すごく落ち込んだ時も。不思議だ。
ちょっと調べてみたら他にも色々あるらしいのでTSUTAYAに行って来なければ。
…閑話休題。
19巻冒頭でかかっていた曲が「Table for Glasses」で、なんか曲の雰囲気が合っていて余計よかったなと。
(歌詞は分かりませんが)
いい組み合わせを発見したなあと思います。

BANANA FISHの登場人物が何人か後の漫画に出ている、という情報はちらほらと目にするので、読みたいのはやまやまなんですがなかなか機会がありません。
YASHAを1巻だけ読んでそれっきりのような…。
ちらほら見た中で○○(一応伏せる)が早世しているとかあって、マジかー!って思ったり。

話がとびとびだなあ。
アッシュと英二の組み合わせは大好きですが、カップリングとしてどうこうと考えたことは一度たりともないです。
考えられないものは仕方ないっていうか、なんかあの二人は茶化しちゃいけない気がするのです。
ただ大事に想い合ってる二人が大好き。

そんなわけで良いものを読み返しました。
悦。
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